【世界陸上】20km競歩世界記録保持者 鈴木雄介。強さの秘密!出身の石川県能美市って?
今年3月15日、石川県能美市で行われた、
陸上全日本競歩能美大会で鈴木雄介選手が従来の記録を26秒上回る1時間16分36秒の世界新記録で優勝しました!
更に5位までが1時間20分を切る好記録でした。
陸上競技では地味な存在だった競歩ですが、
日本の競歩界は今どんどんレベルアップしています。
その地味な競歩のレベルアップを縁の下で支えているのが、大会の開催地で鈴木雄介選手の出身地、石川県(能美市)です。
能美市に限らず石川県は競歩王国といっていいほど競歩が盛んな土地なんです。
全日本競歩能美大会だけでなく、輪島市では毎年4月に日本選手権50キロが開催されています。
アトランタ、シドニー五輪出場の池島大介さん。
高校生ながらバルセロナ五輪に出場し練習中の交通事故で重症を負いながら競技復帰を果たした板倉美紀さんも石川出身です。
ソウル、バルセロナ、アトランタと五輪3大会連続出場の小坂忠広さんは石川県で教諭となり、選手育成に努めています。
地元で開催されてたとはいえ、鈴木選手は中学まで競歩を見たこともなかったそうですが、石川県では中学1年の陸上部員は全員が専門種目に関係なく競歩の大会に出場するそうなんです!
鈴木選手も中学1年で競歩と出会い、中学、高校と競歩に熱心なコーチの指導を受けてきました。
そして高いレベルのライバルがいる環境の下、力をつけたのです。
そんな競歩王国石川県が彼の礎になっていますが、
それだけではありません。
鈴木選手は若い時から『どうすれば世界で勝てるか?』を
追い求め、向上心と負けん気を人一倍持っていた
んです。
タイムや飛距離などを争い、
素人目にも分かりやすいとされる陸上競技にあって、
競歩だけは、人の目が判断基準のひとつになっています。
特にスパート時、歩くのではなく、
走りがちになるのですが、
ちゃんと歩かせるために
膝を曲げてはいけない。
左右どちらかの足の裏が
常に地面に付いていなければいけない。
などルール上の縛りがあるのです。
中にはそのせいで、ゴール直前で失格になる選手もいるのです。
(失格覚悟で一か八かのスパートする選手もいます)
そんな難しいルールで鈴木選手には
『過去1度も失格になったことが無い』
という競歩選手には珍しい記録があります。
鈴木選手の上下動の少ないフォームは速く且つ失格しないように
計算された美しい形だといえます。
競歩って単純に考えれば、
脚の長さが速さに直結すると思うんです。
鈴木選手は身長170cm、体重57kgのごく普通の日本人体型です。
日本人が競歩で世界記録を持ってるってだけで、尋常じゃないんです。
鈴木選手の向上心はコレだけではありません。
2011年テグ世界陸上で8位入賞したときは前半から集団を抜け出して独歩して15km手前で集団に吸収されての入賞。
ロンドン五輪(2012)でも前半で集団を抜け出したが、後半粘れず36位。
鈴木選手は2つのレースを振り返り
『当時の力では、あのレース展開をしないと目標が達成できなかったんです。他に選択肢はなかった。メダルも目指していましたが、もっとレベルを上げてレース展開の選択肢を増やさないとメダルには届かないと感じました』と言っています。
その後の練習で実力が大幅にレベルアップして
レース後半の衰えを少なくし、
世界2位のシーズン記録を引っさげて
自信を持って臨んだ2013モスクワ世界陸上で
12位と惨敗しました。
調整の大切さを実感したそうです。
そして昨年の2014仁川アジア競技大会において2位に入りようやく彼の努力が少し報われた気がしました。
またこのレースではロンドン五輪銅メダリストの王鎮(中国)と10km過ぎからマッチレースに持ち込み残り4kmで離されました。
こういう展開を経験しないと世界では通用しないと思います。
その経験を経て、今回、世界記録を引っさげて臨む世界陸上です。勝って当たり前と見られるし、ライバルのマークもキツくなるでしょう。
で・・・
個人的には、鈴木選手がメダルを取れれば万々歳だと思っています。
まだ世界的レースではトップとゴール目前で争っていないからです。
もちろん鈴木選手自身は金メダルを目指しているでしょうし、それは当たり前のことなのですが、
個人的には『北京で痺れる争いをしてもらいたい』が第一です。
たとえ金メダルを取ったとしても『痺れる争い』が無ければ
来年のリオデジャネイロ五輪では駆け引き中に心拍数が上がって負けてしまうでしょう。orz
『痺れる争い』が彼を強くし、それが今後の日本競歩界を底上げしてくれると思っています。
鈴木選手!
応援してます!
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